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VOL.111
2015. 11月11日

WAIWAIBOX

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完璧でない自分を愛そう。それでいいのだ。

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 27年11月>

Q.高齢者施設に勤務しています。最近若い時のようにいかないことが増えてきました。まず忘れっぽくなったこと。そして体力です。20代の頃はどんなに忙しくても職場の同僚と飲みに行くことでストレス解消できていました。最近は以前のように飲みに行く機会も減り、朝目が覚めると疲れがとれていないこともしばしば。職場では主任で、中間管理職。家庭は夫の両親と二世帯住宅に暮らす二児の母です。(M子:40歳)

A.確かに20代の頃とは違いますね。記憶や気力といった精神面、そして体力や疲れの回復力といった身体面。

 とはいえ、本当に大きく変化したのは職場における立場や家族等M子さんを取り巻く環境面なのではないでしょうか。

 人は人生の比較的若い時期に、生まれ育った家族を離れ、新しい家族の単位を創っていきます。その年代年代の役割や課題を越えながら生涯成長・成熟し続ける存在です。

 M子さんは二児の母。人生を歩む過程で結婚し、出産し、大切にしたいものは増えていったことでしょう。

 役割もM子さんのように働いている女性にとっては、職場では「中間管理職」として(上司として部下として)、家庭では「妻」として「母」として、「嫁」として、その他友人やご近所付き合い等々、枚挙に暇がありません。

 M子さんは、それら役割に点数を付けるとしたら、それぞれ何点を付けますか。

 「Want―Should―Must」の法則をご紹介します。「Want」は「〜したい」ということですから、自ら主体的に「愛情」から行っていること。役割の中でかなり高い点数をつけたものは、この「愛情」から行っていることですので満足度も高く、疲労度は逆に低くなります。

 続いて「Should」は「〜すべき」ということなので「義務感」から行っているために、満足度はそこそこ。あまり高くはなりません。

 最後の「Must」は「〜しなくてはならない」ということ。さらに受身な状態なので「恐怖感」から行っているかもしれません。当然満足度は最も低く、疲労度は高くなります。

 そこで提案です。役割全部100点を目指さず、完璧ではない自分を許して愛おしみ、自らを大切にするところから始めてみましょう。

 Must思考で行っているものは義務感(Should)へ、義務感から行っているものは、今一度初心に立ち返り愛情(Want)から行うように少し意識してみてください。

 秋の夜長に少し立ち止まって、自分の役割を見直してみませんか。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.111
発行日:2015年11月11日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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